シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
建築家が考える、開放的な暮らし方。
常々、「住宅はもっと自由でいい」と思っています。
シェアハウス然り、昨今話題に上っている住み開きやデュアルライフなど、ライフスタイルを巻き込んだ<住み方>については徐々に多様化が進みつつあるような気がします。
一方、まだまだ発展途上だと思うのは、家そのもののつくり。LDKやフロアの概念、外部と内部の区切りなど、もっともっと様々なパターンがあっても良いのではないでしょうか。
そんな思いに馳せながら、若手建築家さんが名古屋で新築のシェアハウスをつくっていると耳にしたのは、今年の始めのこと。
建築家が提案する柔軟な発想から生み出された住宅は、自分では気付かないほど当たり前に思っていた固定概念をスッと壊してくれることがあります。
今回ご紹介する「D-FLAT LT 城西」は、きっとそんな存在になり得るシェアハウス。住宅として見てもとてもニュートラルに考えられているのですが、シェアハウスだからこそ、より意義を持つ設計になっていると思います。
家の中心にはおよそ3フロア分の高さがある大きな吹き抜けのリビング。大空間を緩やかに縦に仕切っているような、新しい間取りです。スキップフロアにも似ていますが、うーん、やはり新感覚。
各部屋はリビングを囲むように配置され、専用の階段があるなどひとつひとつの部屋が独立性の高いつくりになっています。
兎にも角にも、実際見てみるのが一番かと。早速、スタートです。
地下鉄の改札を出て地上へ続く階段を上り、高速道路の下にあたる大通りをまっすぐ進みます。
5分ほど歩いたところで脇道に入ると、突如、住宅街の中に白の四角い箱が現れます。
どどん。
こちらが「D-FLAT LT 城西」。
外観ですでにお気付きの方もいるかもしれませんが、窓の位置が不思議な場所に。2階?3階?…どうやら一筋縄ではいかないつくりのようです。
玄関は正面に向かって右手。目印は真っ赤なポストとインターホン。
集合住宅のドアに付いているような差込式のポストは便利ですが、わざわざ家から出てポストを確認するという行為が、実は結構好きだったりします。
目の前のグリーンが鈍く映り込む玄関ドア。
見た目の通り、少々手応えのある重さです。グイッと手前に引いて、早速建物の内部へ。
一歩足を踏み入れた先は、真っ白な空間。
不思議とふわりとした空気に包まれる感覚になるのは、自然光と無垢材の床の効果でしょうか。
靴の収納スペースはたっぷりとした容量。棚板の高さも変えられます。
頼り甲斐のある収納力ですが、入りきらない靴がある場合は部屋ごとの保管となります。
玄関の土間部分には傘を掛けるためのポールがあり、常に整頓された状態で収納しておくことができます。
傘立ては場所も取りますし、見た目も乱雑になりがち。設計の段階で収納の機能が織り込まれているのは嬉しいものです。
それでは廊下を進み、目の前に広がるリビングを見て行きたいと思います。
リビングに入った瞬間、フッと頭上に感じる開放感。
それもそのはず。少し上を見上げてみると…
うーん、高い。
3フロア分ほどはありそうな天井高で、フロアの奥行きだけでなく、縦への広がりも存分に感じられます。
大きな四角い箱の中が縦にも横にも緩やかにゾーニングされている、という表現が一番近いのかもしれません。
幅広の窓から自然光がたっぷり入る、窓際のソファスペース。
ゆっくり起きた休日。キッチンで濃いめに淹れたコーヒーと、こんがり焼いたふわふわのデニッシュを用意して、TVから流れる映画情報でも眺めながらのんびり食べたい。
そんなことを思わせる空気が漂います。
雨の日より、曇りの日より、きっと青空の広がる晴れの日が一番似合います。
階段裏はダイニングスペース。
ソファスペースだけでなく、こちらも大きな一枚窓からの光が差し込み、開放感があります。
ダイニングスペースの上部は吹き抜けではなく、天井が。
ただ、一部ポッカリ穴が開いていて、天井というよりも<渡り廊下>に近いように感じるかもしれません。
この開けられた穴を通って、上階に差し込む自然光が1階まで届く仕組み。どこにいても光を感じる心地よさがあります。
10人で同時に囲める一枚板のダイニングテーブルは、ここに置くためのオリジナルデザイン。皆で集まったときにも重宝しそうです。
食事が済んだらコミュニケーションボードである黒板をチェックして、ハンモックでゆらりゆらり。そしてやってくる眠気…。
「そのまま寝ると風邪引くよ!」と、誰かに起こされる季節になってきましたね。
ダイニングの隣には、北欧テイストのカフェを彷彿とさせるキッチン。
またフッと天井が消え、縦へと意識が向かいます。これだけ開放感のあるキッチンで料理をするのは、きっと気持ちが良いはず。
カウンターの裏側が主な作業スペースです。
ゆとりのあるアイランドキッチンも、もちろんオリジナルデザイン。スペースを余すこと無く、かつスッキリとした見た目で収納が確保されています。
事業者さんが、経験上コレが一番!と太鼓判を押す業務用冷蔵庫。
ファミリータイプの冷蔵庫に比べ一段ごとの棚の高さもありますし、人数のことを考えると使い勝手はグッと向上すると思います。冷凍庫は別途設けられていて、容量があるのも良いところ。
キッチンの一角には大きなコルクボードが掛けられています。
料理のレシピだったり、ゴミの曜日表だったり、「冷蔵庫にケーキあるよ」のメモだったり。第二のコミュニケーション・ボードとしても活躍してくれそうです。
さて、リビングから一度廊下に戻り、水まわりを見ていきます。
洗面・シャワールーム・トイレ・ランドリーがすべて集約されているスペース。バスグッズやランドリーアイテムなどの収納場所もしっかりと用意されています。
玄関に近く専有部から遠いため、洗濯機を回す音やシャワーの流水音なども気になりにくい、生活に優しい設計。
小さなことのように感じますが、快適に暮らしていくにはとても重要なポイントになります。
シャワールームは奥に2つ並んでいます。
どうしてもバスタブにつかりたくなったときには、徒歩圏内にある銭湯まで足を伸ばすのもありかもしれませんね。
一角にある扉を開けてみると、なにやらハードそうな機械がずらり。
聞けば、建物内を24時間換気しているシステムなのだとか。各部屋にも換気口が備わっていて、常に新鮮な空気が循環しているのだそうです。
それでは、気になる2階へ向かいます。
階段はスケルトン型。視線が奥へと抜けるデザインです。
手すりを握ってトントンと上って行くと、現れるのは広いホールのようなスペース。
第二のリビングというべき場所かもしれないのですが、空間自体は1階とつながっているため、リビングの延長線上にあるような感覚です。
さらに興味深いのは、この場所を中心として部屋が配置されていること。
部屋へのアクセスは各部屋に設けられた階段を使います。
リビングで過ごしたあと、「じゃ、おやすみ」と自分の部屋へと階段を上って行く姿はまさに<帰る>光景。
家に囲まれ、自然と人の集まる場所。
どこか、小さな路地に似た存在のようにも感じます。
リビングの端に置かれた白いボックスは、中も真っ白なトイレ。こちらは女性専用とのことです。
リビングに背を向けた配置で、ドアを開けた時に視線がぶつからないような配慮がなされています。
では、それぞれの階段を上って各部屋を見て行きます。
共用部から自室へ、気持ちにグラデーションをかけていくような不思議な感覚です。
こちらは207号室。
建物全体がグリットに則って構成されているため、各部屋の広さは全て同じ6.5畳。間取りもおよそ同じです。
リビングも同じ杉の無垢フローリングですが、各部屋はさらに蜜蝋のワックスを塗っているのだそう。汚れがつきにくく、天然素材なので身体にも優しいのだとか。
209号室は2面採光。
建物全体に言えることですが、日当たりが良く、昼間は照明なしで十分に過ごせます。
休みの日は窓とドアを全開にして、思いっきり換気をしても気持ち良さそう。
ドアを開けた先が階段で、リビングからの視線がないからこそ出来ることかもしれません。
ふと入り口の外に目を向けると、小さなハシゴを発見。
ハシゴの先は細長く切り取られた空がのぞきます。もしや・・・と思いつつ、ハシゴを上ってみます。
ちょっぴり屈んで窓の外に出てみると、頭上に青空が広がるルーフバルコニー。
デッキチェアを持ち出してのんびりするのも良いですし、実用的に布団を干すのにも便利そう(誰かの手助けは必要だと思いますが)。
実はここから名古屋城も見えます。ライトアップされている夜間が一番綺麗に見えるのだとか。
リビングから一番距離のある213号室。
部屋の目の前はバルコニーと行き来するための廊下になっていて、独立性が高め。
廊下からリビング、さらには1階のソファスペースとも会話できてしまいそうなほど、空間が大きく大きくつながっています。
家の中でこの気持ち良さ、なかなか味わえるものではないと思います。
収納はしっかりとした容量。
既に持っている収納家具と組み合わせても良さそう。棚の上部も上手く活用したいところです。
その他にもハンモック付きの102号室や、
天井の高い105号室など、
同じ広さでも条件はいろいろ。内覧の時にも部屋同士を行ったり来たりして悩む人がとても多いのだそうです。
最後に建物の周りをぐるりと一周してみます。
リビングの大開口からチラリと見えた庭。建物の裏手にあたります。
全面に芝を育てているのだそうです。きっと春には青々とした光景が広がっていることでしょう。
塀沿いではブルーベリーを栽培中。収穫直前に実を全て鳥に食べられてしまうハプニングもあったのだとか。
物干し場も広めに確保されています。
この日当たりなら、朝洗濯物を干しておけば昼頃にはカラリと乾いてしまいそう。
道路側には自転車置き場が。
ひとり1台分置いておけます。屋根付きというポイントも魅力。
ちなみに有料ですが、バイクと乗用車も敷地内に駐められます。家から離れた駐車場に行く手間もないですし、なかなか良いのではないでしょうか。
伏見・丸の内までは鶴舞線で5分弱、名古屋・栄までも15分程度とアクセスは良好です。
駅からは5分ほど大通り沿いを歩きますが、シェアハウス周辺は古くからある小さな商店と住宅が入り交じるエリア。
ベビーカーを押したお母さんたちが立ち話をしているなど、のんびりとした雰囲気が漂っています。
「D-FLAT LT 城西」を運営しているのは「有限会社デクーン」さん。
インテリアデザイン事務所や今回の若手建築家さんとのコラボレーションで、非常に空間品質の高いシェアハウスを運営しています。
管理を担当しているのは熱いパッションを持ってシェアハウス運営をスタートさせたお父さんと、ふんわりとした優しい笑顔が素敵な娘さん。写真からも伝わってくる通り、おふたりともとてもフレンドリーです。
先日も入居者さんから「近くまで来たのでご飯食べに行きましょう!」とメールをもらったのだそう。
生活のちょっとした悩みや、仕事のことなど、お酒を飲みながらじっくりと語ったのだとか。人生の先輩として、ときにはお父さんのような存在になってくれるかもしれません。娘さんも含めて、アットホームな関係を築くことができると思います。
この贅沢空間を存分に楽しみたい方。正直、「このチャンスを逃したら一生住めない!」と本気で思いました。2013年10月現在満室とのことですが、空室を見つけたときが運命の瞬間かもしれません。お問合せはコチラから。
家は長く時間を過ごす場所。
(テルヤ)
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