シェアハウスソーシャル・キャピタル調査レポート

調査員の研究日誌
調査解説「シェアハウスの交流」

今回の調査データ解説のテーマは、「シェアハウスでの交流」です。

これは、私が今回の調査を通じて一番実態を理解したかったものでもあります。

コミュニティ・ルームで過ごす時間
Aさん 平日・休日とも1時間くらい
Bさん 平日は3時間くらい。休日は4時間くらい
Cさん 平日は3時間くらい。休日は3〜6時間
Dさん 平日は30分。休日は1、2時間くらい(食事は個室がメイン)
Eさん 平日は2時間くらい。休日は3、4時間くらい
Fさん 2、3時間
Gさん 3時間くらい
Hさん 平日は1〜2時間、休日は3、4時間
Iさん 平日は2時間くらい。休日は6時間くらい

まずは、コミュニティ・ルーム(共用リビング)で過ごす時間です。

シェアハウスにおいて、コミュニティ・ルームが果たすコミュニティ機能は、他の空間に比べてとても大きいと言えるでしょう。

シェアハウスでは、基本的に自分の部屋がプライベートな空間で、コミュニティ・ルームがパブリックな空間です。そのパブリックな空間で、入居者は30分から6時間という非常に広い幅の中で時を過ごしていることが分かりました。

シェアハウスでの交流の姿は、入居者それぞれにとても個性がある事が分かります。

料理に関して
出汁の味 カレーの具 お茶 アップルパイ 明日の献立
趣味に関して
好きなケーキ 各地のお土産 海外旅行 ファッション ボクシング
亀田兄弟 マニキュア 醤油 日本酒 競馬
日光観光 携帯機種 椅子のデザイン 台風 日本の港
ヨガ ウォーキング      
仕事に関して
旅行市場 旅行パンフレット 研究 建築設計 人材派遣
新しい職場 エクセル操作 IT試験 介護  
その他に関して
怪我の治療法 外出先 今日の予定 実家 シェアプレイス
運営事業者 視力 昨日あったこと 家族の悩み  

さて、交流と言えば、基本は話す事ではないでしょうか。

そこで、シェアハウスで繰り広げられる会話内容について着目してみましょう。上の一覧は調査時に私がコミュニティ・ルームで交わされていた話のトピックを拾っていったものです。

大きく分類すると、話題は料理、趣味、仕事といったカテゴリーに分けられました。

どうやらキッチンが併設されている事もあり、料理を介した交流が一定の割合を占めているようです。

その他の話題の多くは、趣味に関するものです。時事的な話題やそれぞれの関心の幅に合わせて、多様なトピックが生まれています。

また、仕事に関する話もされている事が分かります。

基本的に社会人同士なので、お互いの仕事や、会社での出来事について話し合ったりしています。職場では口に出せない様々な思いを身近な間柄で共有し合えることは、心の支えになるだろうな、と感じます。

そして、一部では家族の悩みといった、よりプライベートな相談事も行われています。

このように、コミュニティ・ルームではふと思い付いたような軽い話題から、趣味に関する熱い話題、仕事に関する真面目な話題、個人的な悩みといった深い話題まで、実に多種多様な会話が繰り広げられていました。

上のグラフは、入居者毎の滞在回数と交流回数を示しています【拡大】。

これは、入居者毎に23時間という調査期間内に何回コミュニティ・ルームに滞在し、各交流行動を行ったかを表したものです。中には18回もコミュニティ・ルームを訪れ、35の交流行動を行っている非常に活発な人もいます。

その方にとっては、「コミュニティ・ルームは自分の部屋の延長」なのだそうです。一方で、コミュニティ・ルームに足を運ぶ回数の少ない人も見られます。このように入居者同士の交流状況は、人によっても多様である事が分かりました。

このような交流状況の多様さの背景には、シェアハウスの持つ任意性があるように感じます。共用部できちんと折り合いをつけながらも、それぞれの考え方に応じて自由に生活をしていく、といったコミュニティ運営に学ぶ所は、大きいのではないでしょうか。

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